【祖母と行く】旧信越本線(横川~軽井沢) 廃線ウォーク
この夏、祖母と二人でかつての信越本線(横川~軽井沢区間)を歩く廃線ウォークに参加してきました。
この日、私と祖母は高崎駅近くのホテルに宿泊していたため、高崎駅から信越線に乗って横川駅まで移動しました。
かつては碓氷峠を越えるために専用の機関車を連結していた横川駅。短い停車時間で買う“峠の釜飯”が名物でした。おぎのやの“峠の釜飯”は今でも名物駅弁ですけどねー(笑)
碓氷線が営業されていた当時は、車止めの先にも線路が続いていました。
集合場所は駅近くの観光案内所です。そこで受付を済ませ手荷物を預けます。今回私たちは軽井沢まで行ったのですが、ちゃんと荷物は軽井沢まで運んで頂けたため、とても有り難かったです。
今回の参加者は10名ほどでした。全員揃ったらみんなで元気にラジオ体操をしていざ出発です。
最初に見えてくるのは碓氷の関所跡。碓氷峠鉄道文化むらで運転体験が行える碓氷峠専用車両である“EF63形電気機関車”もお出迎えしてくれます。
ここから1時間ほど歩いた先にある峠の湯まではアプトの道という整備された遊歩道を歩いていきます。
30分ほど歩くと見えてくるのが旧丸山変電所跡です。丸山変電所は碓氷線が幹線鉄道で初めて電化されたことに伴い、明治45年に建設された施設で、平成6年には国の重要文化財にも登録されました。
ここから先ほど歩いてきた道を見返してみると、かなり登ってきたような気がします。気がするだけです…(笑)
さらに30分ほど歩いて峠の湯に到着。峠の湯付近から線路を撮影したのですが、鉄道が通るにしてはなかなかの勾配だと思いません?写真だと分かりづらいですね…笑
※この時点で勾配およそ65‰(1㎞毎に65m登る)です。
いよいよここから普段は立ち入ることのできない碓氷線新線跡へ。まず見えてきたのが第1トンネル。距離は75mしかなく、とても短いです。
トンネル内から出口の方を見てみると自然に帰りつつある線路が…。美しい光景ではありますが、このような場所ではヒルに要注意です!
トンネルを抜けてふと頭上を見上げると、なんと架線におさるさんが!現在では架線に電気も通ってないので、おさるさんの道になっているようです。
おさるさん、元気に走っていきました。
今回は下り線(軽井沢方面)を歩くコースなのですが、ここらでちょっと上り線(横川方面)の線路へ降りてみましょう。
どうですか?完全に自然に帰ってます。やっぱり自然の力ってすごいなぁ…
ちなみに、下り線が綺麗なのは廃線ウォークの担当者の方が草刈り機で整備してくれているからだそうです。来週は上り線も刈ると仰っていたので、上り線のウォークに参加される方、ご安心下さい。(笑)
うちのばあちゃん、あまりの暑さに扇子で扇いでます(笑) 実際、この日は晴天にも恵まれ、かなり暑かったです…💦
次に入るのが第2トンネル。全長が1200mほどあるため、お先真っ暗です。
トンネル内にはコウモリの巣などもあり、なかなかの雰囲気。しかし、夏でも太陽の光が届かないため涼しく、気候はかなり快適でした。そのためか、トンネル内で人が住んでいた形跡もありました(笑)
しばらく歩くと、トンネルの中に電話の形が描かれた案内板が。
これは、外と連絡を取るための設備の跡らしいです。ちゃんと緊急時の連絡先も書かれてます。今は通じないと思いますが…笑
1.2㎞ってこんなに長かったっけ?と思いながら歩いていたら、ようやく出口が!
おおおーーー!!!これは感激!美しい!!
急に視界が開けて橋が登場。右に見えるのは上り線の橋梁です。
反対側を見てみると、国の重要文化財にも指定された有名なめがね橋も見えます。橋の上にいる人に向かって手を振ったら振り返してくれました。
ではここで、インスタ映えに挑戦してみるコーナー!あんまり映えてないですね…(笑)
橋を越えてトンネルの中をしばらく歩くと、出口付近に信号機が!しかもちゃんと光ります!廃線ウォークのために、わざわざ信号機が光る演出をしてれているようです。
トンネルを抜けると、そこは旧熊ノ平駅。
碓氷峠越えの中で唯一平らな区間。
ここでお昼休憩。昼御飯には横川名物の“峠の釜飯(廃線ウォーク限定ver)”をいただきました。とてもおいしかったです!
昼休憩を終えウォーク再開。相変わらずジブリのような世界観の中を歩き続けます。
先程からずっと下り線を歩いてきたのですが、途中しばらく上り線を歩きます。というのも、去年の大雨で大量の雨水が流れ込み、下り線のトンネル内が歩けなくなってしまったそうです。こちらがその被害を受けたトンネルの入り口です。レールと枕木が浮いてしまっています…。
ちなみにこの場所から反対側を見ると、アプト式時代に使用され、現在では重要文化財にも登録されているレンガ造りの橋梁が見えます。
気を取り直して進んで行きます。
またしばらく歩くと、今度は古いコーラの瓶が。碓氷線が運行されていた当時、誰かが窓から投げ捨てたものなのでしょうか…笑
そこから更にトンネルをいくつかくぐり抜け、ついに碓氷峠最後のトンネルへ。
最後のトンネルの中には群馬県と長野県の県境がありました。ちなみに下の数字は、信越本線の起点である高崎駅からのキロ数ですね。
ついに希望の光が見えた!ちなみに最後のトンネルでも信号機が光りました。
さっきの光はこの先の信号の中継信号機だったみたいですね。
とにもかくにも、ようやくゴールです。見てくださいこの勾配。横川駅から今までずっとこの勾配を登ってきたわけです。スゴくないですか?
案内の方とはこの付近でお別れし、軽井沢駅までの1キロほど整備された道を歩き、今回の横川~軽井沢(およそ12キロ)のウォーク終了です。高低差も500メートル以上あったため、私自身わりと疲れていたのですが、祖母はぴんぴんしていました。本当に健康って大事だなと改めて思いました(笑)
歩き疲れた私は長野まで楽に移動したかったため、追加料金500円を払い、最近しなの鉄道でデビューしたばかりの観光有料快速「軽井沢リゾート号」に乗りました。
ちなみに軽井沢駅には、当時碓氷峠で使用されていた電気機関車が展示されていました。お時間のある方はぜひご覧になってみて下さい!
今日の最終目的地である長野駅には1時間ほどで到着。コンセントや車内Wi-Fiも備わっており、快適であっという間の鉄道旅でした。
お時間のある方やハイキングに興味のある方は、是非一度“廃線ウォーク”に参加されてみてください!碓氷線自体に興味のない方でも十分楽しめるハズです!
【後日】
祖母が投稿した記事が地元の新聞に載るという完璧なオチがつきました。(笑)
『碓氷峠 廃線ウォーク』横川→軽井沢 pic.twitter.com/XRpjo8wcFX
— ハタ佑太 (@0pu0219yuta) 2020年9月5日
『廃線ウォーク』旧信越本線(横川~軽井沢)#廃線 #廃線跡 #廃線ウォーク #信越本線 #信越本線廃線跡 #碓氷峠 #ハイキング #新緑 #秘境 #安中市#線路 #線路のある風景 #風景写真